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学校の休校措置に対して

学校の休校措置に対して

新型コロナ肺炎の蔓延で、多くの学校が休校を強いられています。この問題の深刻さは、出口が見えないことで、その長さによって学校教育全般に対する影響の大きさは当然のように変わってきます。

 休校期間中にどのような学校としてどのような対応をしていくか、いくつか考えてみたいと思います。まずは、授業代償措置。実施できない授業に替えてどのように生徒の学びを確保するか、学校としても最も関心の高い部分ではないでしょうか。

 多くの学校では、新課程実施や調査書様式の変更に備えて数種の教育ICTを大幅に導入していると思われます。休業中の生徒との連絡については、これを用いて確保されているかもしれません。また、同様に汎用的ではありますが、教材を供給するシステムも潤沢に存在します。ただ、これらの使用で気をつけなければならないのは、生徒との連絡も、平素の学級担任との対面を超えるような安定性、信頼性が欠けている点です。連絡手段のいずれもが「電子メール」の範疇を超えるものではなく、生徒への伝達が不確かであるだけでなく、文面解釈に関する誤解の可能性も払拭できません。これを補完する措置をとることは必要不可欠と言えるでしょう。
 考えられる方法としてはほぼ唯一、学級担任による定期的電話での指導、あるいはネットを通じてのテレビ電話が可能であれば、それを使っての指導ということになるでしょう。後者は、生徒の側の準備が足らず、実施は完全とはならないことが考えられます。もちろん、電話での指導も、すべての生徒に万全とはいえないでしょう。固定電話であれば、保護者を通じて働きかけが可能ですが、現代の家庭では、固定電話を置かず、各自の携帯、スマホで生活しているところも多く、生徒が応答しない(居留守をつかう)ことも皆無とはいえないだろうからです。100%の達成は難しいとしても、可能な限り学校から生徒に対する能動的な働きかけはしておきたいところです。

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 授業代償措置も重要でしょう。既製の映像授業なども一定の効果は期待できるのですが、問題は管理です。既に長く行われている予備校の衛星授業なども、これを導入した学校の先生に伺うと、生徒にやらせっぱなしにしてしまうと、全く効果がないばかりか、生徒は衛星授業に出席したことをもって勉強をしたつもりになり、却って学習の量、密度が低下してしまったという例も多いようです。
 さらに特に高校2年以上や中高一貫課程全般で問題になるのが、個々の授業の進度と既製教材の内容との厳密な整合がとりづらいということでしょう。学校によっては、授業計画を綿密に練って、後出の単元を前倒しで教えたり、重複を避けて一気に取り扱っている例が多く見られます。既製教材ではこの部分が全く対応できません。
 やはり完全に既製教材に頼るのは危険であり、少なくとも担当教員に対する課題提出や反対に、生徒へのフィードバックは相当に充実させる必要がありそうです。ICTを用いての授業担当者からのインストラクション、発破かけなども可能な限り実施したいものです。
 また、既製教材の内容と指導計画との厳密な整合がとれない場合は、むしろその使用を従なものとして、主要には担当教員による授業代替的なプリント配信によるべきだとも考えられます。
「教科書のP.〇〇~××までをよく読みなさい。その際、△▽の問題に留意しておく」という課題をだし、その上で、対面授業を行うのと同じような説明、問いかけ、注意点を書き起こして、例えばほぼ授業時間に対応させて生徒にメールなどを通じて送ることも効果がかなり期待できます。最後に、いくつかの課題を提示してもよいし、学びの成果を確認する問題を出してもよいでしょう。いわゆる通信教育での方式を流用するということになります。
 いずれにせよ、平素の対面授業を凌ぐ効果は期待でできないのかもしれませんが、限られた条件の中で、最大の効果を挙げていく努力はしたいものです。

 休校措置の長さは、冒頭にも述べましたとおり、出口が見えていません。一応、長期戦を覚悟してできることを順次実施していくことです。

 本稿の最後に、生徒のメンタル面の支援について申し述べたいと思います。今、それぞれの学校の生徒はどのような精神状況にあるでしょうか。学年、年齢によっても大きく異なるでしょうし、単純に今回のような非日常的現象に気を緩めている生徒もいるかもしれません。しかし、われわれ大人が非常に不安に感じているのと同様、生徒も基本的には先行きの見えなさ、自身の健康について、不安を感じていることは間違いありません。今回のコロナ禍については、事態が発覚してしばらくの間、その深刻さ(感染性や致死率など)について、社会的な評価が揺れました。このため、生徒と接する先生方の中にも受け止め方にバラツキがあるかもしれません。現在では、相当の感染性があり、重篤化した場合の恐ろしさについての認識はかなり明確になっていきていますが、やはり一度、職場としての学校で、基本的な認識の統一を図っておいた方がよいでしょう。
 その上で生徒に対して、
  ① 罹患防止のための注意
  ② じっくり学習していくことの大切さ
  ③ 家族(特に高齢者がいる場合)を思い遣る(特に感染させない)
といった、生活指導も繰り返し行っていく必要がありそうです。その上で、「先生も君たちに会えなくて寂しい」という共感的な地平にたって、接して絆を維持、強化するとよいでしょう。

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