学校経営・学校会計分析・教員研修のA工房

東京で進路指導や教員チームなどの育成、研修、学校評価、授業評価に携わるコンサルです

子どもを伸ばす(1)

子どもを伸ばす(1)

 あまり好きな言葉ではないのですが、「お買得校」といわれるものがあります。簡単に言うと、入学時の偏差値に較べて進学実績が思いの外、良好な学校を指すのですが、入り口と出口の差分が大きい分、その学校には教育力があるという推定が働き、進学塾や保護者の注目を引くことになります。多くの地方の学校では、そもそも小中学生の通塾率が低かったりしますから、全国的な「偏差値」が適用されたときは、「仕入れ値」が低く出る分、放っておいてもこの差分は大きくなる傾向にあります。ただ、それでも地方は生徒の在学中、生徒は一般的に予備校、塾のお世話になりにくいのですから、出口の状況がよいなら、これは相当程度学校の実力といってよいのではないでしょうか。

 また、東京など都会の学校でも、上の定義に適った「お買得校」は現に存在します。固有名詞は避けますが、新興の進学校にも古典的な著名校にもいずれにも少数ながら入り口と出口の差分が大きい学校が存在しています。逆に、最近、大々的に宣伝して鳴らしているBandwagon校には、入り口の高さの割に生徒を伸ばしていないのではないかと”?”をつけたくなる学校も散見されます。この違いは何なのでしょう。

 思うに、学校の力で生徒を伸ばしている学校は、生徒の共感を実に上手に生かしているように見えます。低い偏差値で示されるような実力の子どもたちが、現実に高いものになるには、質・量とも充実した授業と家庭学習の習慣づけがなされていなければ達成できません。これは絶対に動かせません。特に後者は、結局生徒を如何にその気にさせるかということに関わってきますから、単なる義務的な課題の付与だけでは説明できない何か、すなわちプラスαを加えてやらなければ現実化しません。私にはこのプラスαこそが鍵であるように思われます。生徒の実態や性格とも関わりますから、ここに「公式」的な解法はないのですが、経験的に現象だけ拾うと概ね次のような状況を達成した指導が行われたとき、生徒はその気になっているといえるように思われます。

  1. 生徒が互いの(指名回答での)失敗を笑わず、むしろ自分の失敗を示せる学級づくり
  2. 生徒が互いに個別指導しあう姿が見えるクラスづくり
  3. 同じ苦労を共にし、彼の辛さは我の辛さ、彼の喜びは我が喜びという関係性が見られる学級づくり
  4. 互いの難しい課題を協働して乗り越えるのが当たり前であるという空気
  5. 同じ(ような)志望校の子ども同士が、入試後結果が分かれたとき、よい結果の子が失敗した子の結果について涙を流せる間柄

 さて、これをどう作るか、達成するか。これから考えていきたいテーマなのですが、ひとつだけ確かなことは、教師が、生徒の間にこうした「共感」を醸し出すという重要な役割があるということでしょう。目標を高く設定させなければ、生徒は伸びません。しかし、同時に、この「共感」を生徒の中に育むことも重要な要件となります。共感のfacilitatorとしての教師にどんな手だてがあるか、考えていきましょう。

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